最後の砦(福祉経営余話)

文責:理事長 岩崎 俊雄

 少子高齢化、地域社会の脆弱化等が一段と進む中にあって、地域包括ケアシステムの構築、さらに地域共生社会の創造が大きな課題となっています。このような中にあって、社会福祉法人は全ての自治体に存在する社会資源であり、既存の社会福祉制度、社会保障制度では対応が困難な地域ニーズに積極的に対応することが求められるに至っています。
 その社会福祉法人の数は全国で2万強ありますが、収益規模別では年間収益1~2億円が最も多く、平均でも5億円であり、事業展開をより積極的、強固に推し進めるため、法人間連携や協働化、大規模化等の議論が始まりました。尤も、法人の中には歴史や理念、経営方針の違い等から否定的な意見も多く、さらに、新たな社会福祉法人が年間200件近く認可されている現状にあることも事実です。
 しかし、地域によっては経営危機に陥る危険性のある法人も既に存在していますし、冒頭申しあげた2040年問題が大きくクローズアップされる中で、地域の期待や役割に応えるためにも、経営の協働化・大規模化は避けて通ることができない課題であると認識しています。
 そんな中にあって、9月の定例県議会が開催され、日向野県議が一般質問に立ちました。氏は、障害者福祉を政治の原点と捉えているというだけに、持ち時間のほとんどをその問題に集中させ、早期発見・早期療育、教育、就労、親亡き後対策等、障害者福祉に懸ける想いが大きいことを再認識させられました。特に、地域共生社会の時代にあって、障害者も地域の一員として地域の中で生活していくのが基本であるとしつつも、それでもなお、地域生活支援拠点、グループホームそして障害者支援施設の必要性を訴える姿勢には、福祉の第一線を担っているひとりとして、頼もしく感じられました。
 障害を持って生まれた我が子に負い目を感じながらも、ひとりの人間として成長し人並みの生活をさせてあげたい、人並みの喜びを味あわせてあげたい、そう願わない親がいるでしょうか。親亡き後も、障害者本人のための安全で、安心できる、安定した、質の高いサービスが完備されているなら、今は頑張れる、本音で言える施策展開が望まれているのではないでしょうか。
 障害者、特に障害が重い方にとっては、最後の砦となるのが障害者支援施設であり、その機能が整った施設の整備が最優先されなければならないと考えています。その一環として、ひのきの杜の増築を主とする、ひのきの杜共生そしてけやきの家の再編を何としても実現させたい、日向野県議の一般質問を視聴し、その思いを強くしています

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