福祉のこころを語り継ぐ(福祉経営余話)

文責:理事長 岩崎俊雄

 相模原事件が発生して2年になりますが、事件の検証と再発防止策検討チームが一昨年にとりまとめた報告書「再発防止策の提言」を巡っては様々な反論があり、精神保健福祉法の改正も見送られてきました。検討チームの一員であったこともあり、その後いろいろと考えさせられましたが、それとは別に、私個人として検討過程において強く訴えたことは「心のバリアフリー学習」の推進です。
 このような経過から、昨年度は文科省の心のバリアフリー学習推進会議のメンバーに選任され、検討を重ね、今年の2月に報告を取りまとめました。その中でも画期的であったのは、『報告書を取りまとめても実行に移されなければ意味がない、文科省が積極的に都道府県教育委員会あるいは省庁を超えて厚労省の福祉関係部局等に協力を要請する必要がある』というメンバーからの要請を受け、具体的に行動したことです。
 報告を受け、文科省特別支援教育課長等3課長連名で都道府県教育委員会担当課長あてに「障害のある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒の交流及び共同学習等の推進について」と題する依頼を発出しました。さらに、補正予算のモデル事業として「障害者の多様な学習活動を総合的に支援するための実践研究」を公募し、私も技術審査専門員として評価作業に加わりました。
 ところで、昨年は古希を迎え、体力、知力の低下を実感した年でもありました。そんな中、母校である日本社会事業大学の同窓会会長に指名され、6月に就任しました。苦渋の決断をして引き受けたわけですが、私なりに、ある想いがあったからでもあります。
 原宿にあった母校のキャンパスに「アガペ像」が建てられていました。今でも清瀬の現キャンパスに移設、複製されていますが、その碑文「ウブゴエカラ灰トナリテマデ」が今までの私を支えてくれた言葉の一つです。それは、無償の愛とも言われますが、私は、サービスを必要とする人に寄り添い、生涯にわたって支えるシステム、トータルサポートシステムの構築をめざすことであると解釈しています。加えて、校歌の一節にある「忘我の愛と智の灯(トモシ)」が社会福祉の根底に流れる思想である、と信じています。そんな想いを伝えたい、伝え続けていく責務があると自分に言い聞かせています。



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