語り継がれてきた教え(福祉経営余話)

文責:理事長 岩崎俊雄

 本会の事務所は、関東の高野山とも称される岩船山高勝寺の裏参道の入口にあります。既にお話したとおり、事務所の北側には、裏参道とそれに沿って岩船山から流れ出る山水の堀がある、自然が豊かなところです。
 岩船山には、本会の慰霊碑を建立させていただいていますが、近年、利用者は勿論のこと保護者の皆様の高齢化が進み、慰霊碑への参拝ができない方のことも考え、ご住職の助言を得て、事務所に観音菩薩像を安置いたしました。『苦しい時の神仏頼み』と言われそうですが、私たちの幸せを仏に祈るとともに、仏となった皆様そして仏像が現世にいる私たちの幸せを願ってくれている、ということを信じて毎朝祈りをささげています。
 ところで、「岩崎さんは、ここのところ『やまと』『みずほの家』等と神がかり的な事業所名にしているが、何か心に秘めたものがあるのか」と、何人かのお役人等から聞かれました。問われて初めて気が付いたのですが、事業所のある地名を名称としただけで、他意は全くありません。そんなこともあって、観音菩薩像そして初代理事長の肖像をお護りするための『宝剣』が欲しい、と考えておりました。
 私事になりますが、日頃の運動不足を解消し、精神的な疲れを残さないための方策のひとつとして、時々マッサージを受けています。施術師は、栃木市の視覚障害者の会長も務められた識者ですが、『宝剣』のことを話題にしたことがありました。その折に、施術師から「実は、我が家には代々受け継いできた日本刀が2振りあるが、そういうことであれば1振り差し上げましょうか」という話になりました。常務の義父がその道に詳しいことから、アドバイスを受け、所定の手続き、専門家による研ぎ出し等を経て、『日本刀』を手に入れることができました。床の間に、本会の初代理事長の肖像、観音菩薩像そしてお護りする日本刀(ただし、本物は法令に従い別に保管し、鞘だけで中身は竹光です)を安置することができました。
 慰霊碑、観音菩薩像さらに祈り等と言うと信心深いと思われる方もあろうかと思いますが、私自身が熱心な仏教徒ではありませんし、そうかと言って、宗教を否定するとか、排斥するものでもありません。ただ、多くの年月を経ても、語り継がれてきた宗教の教えには、心を動かされるものがあります。『忘己利他』『慈悲の心』そして『一隅を照らす』等には、言葉で言い表すことができないほどの意味があるのではないか、福祉の根源、福祉の真髄を象徴する言葉ではないか、その心を語り継いでいきたいと思っています。

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