想いをつないで、全力投球(福祉経営余話)

文責:理事長  岩崎俊雄

 平成18年10月に障害者自立支援法が全面施行されましたが、今年は10年目という節目の年になります。支援費制度の導入、さらにその破たんにより障害者自立支援法の制定が議論された頃から、全国経営協の障害者施設経営委員長として昨年までかかわった者のひとりとして、隔世の感を禁じえません。その後、法律は障害者総合支援法と改称され、国の障害福祉サービス関係予算も、当時の4千億円余から1兆円を超えるまでに伸びてきました。
 本会は、障害者自立支援法施行に併せ、栃木特別支援学校の近くに児童デイサービスセンター「あすなろ」をオープンさせました。それまでの近隣3町独自の共同事業であった障害児放課後等児童健全育成事業を拡大し、旧栃木市においてはじめて展開する事業所でした。さらに、当時の特別支援学校PТA会長さんの『親の想いを実現して!』という強い要請で建設を決定した事業所で、緊急に整備を要する事業として、施設整備費等の補助金を受けないで建設した初めての事業所でもありました。
 その財源の多くは「すぎのこ会を守る会」の皆様の尊い寄附金によるもので、『私達が受けてきた辛い思いを、若い両親にはあじあわせたくない』という強い想いが込められていました。親亡き後のための施設を整備するために積み立ててきた守る会の貴重な財産を、障害児を持つ若いお父さん、お母さんの負担軽減のために取り崩すことに賛同して頂いたのです。このような守る会の皆様の想いが、本会の地域包括支援システムの確立~制度の狭間にあるサービス提供のための基盤整備~という施設整備の考え方の基本となっています。
 障害者自立支援法施行10年目に当たる10月1日、みずほの家で、守る会合同役員会が開催されました。冒頭、鈴木会長さんから今年開設したグループホーム「みどり、みかも、第二みかも」及び放課後等デイサービス事業所「あすひ」の開所祝いとして多額の寄附金を賜りました。紙面をお借りして心よりお礼申し上げます。今回の役員会では積極的な意見が相次ぎ、守る会の存在の大きさを実感するとともに、頼もしさを感じました。ここに至るまでの歴代の守る会の会長さん、そしてその前身である「保護者会」の会長さんはじめ、多くの会員の皆様の心からのご指導、ご支援に対し改めて感謝いたします。
 加えて、何よりも歴代会長さんの想いである、『利用者本位の、安全で安心できる安定した、質の高いサービス』提供ための基盤整備を図るため、微力ながらなお一層全力を尽くすことを心に誓いながら帰途につきました。

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