年頭に当たって ~初心を忘れずに~(福祉経営余話)

文責:すぎのこ会理事長 岩崎俊雄

 新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 昨年は、改正社会福祉法下において、社会福祉法人の本格的かつ具体的な見直しが開始された年でした。本会においては、特に内部管理体制の強化を図るべく、各種規程等の全面的見直しを行うとともに、12月に開催された理事会及び評議員会において、定款の変更を決議しました。収益20億円以上の法人に会計監査人を義務設置する件に関しては、厚労省から延期する旨の通知が発出されましたが、本会は15年以上も前から公認会計士による自主監査を受けてきたこと、また一昨年には厚労省の会計監査人設置モデル事業を受けたこと、そして何よりも透明性を向上させ、公益法人としての説明責任を果たす観点から、会計監査人の設置を定款に明記することとしたものです。
 そんな中にあって、本会創立の立役者のおひとりでもあった、酒井正子さんとお別れをしなければなりませんでした。酒井さんは、昭和47年に栃木市内に障害児通園施設あゆみ学園が開設され、私が最初に担当した子どものお母さんです。就学免除、就学猶予が当たり前の時代に、保護者の皆さんは、普通の子どものように家庭から通わせて教育を受けさせたい、という願いを実現すべく、長年にわたって通園施設の整備を訴え続けてきました。
 障害を持つゆえに就学できない我が子の顔を見ながら、就学した子ども達が新しいランドセルを背負って元気に通学するのを、不憫に思いながら涙して見送らざるを得なかった、と悲しそうに話されていました。そして、ようやく建設された通園施設。しかし時は流れ、子どもさんは退所年齢に近づいていました。通園施設は18歳までの子どもの施設です。当時PTA会長であった故岩本武郎さんの『岩崎を信じて、成人施設建設を成功させよう』という叫びに、保護者の多くが賛同し、誕生したのが「すぎのこ会」です。
 あれから40数年が過ぎ、子どもさんも60歳を超えました。「我が子は皆さんの税金でお世話になって幸せに暮らしているのだから、皆さんのためになるのならなんでもやる」と、95歳までシルバー人材センターの作業に従事していました。這いつくばるようにして除草作業をしていたその姿は、私の脳裏に焼き付いて今でも離れません。
 改めて、百歳で天寿を全うされた酒井さんのご冥福をお祈りするとともに、新しい年を迎え、『生きていて良かった』と言える社会を創るために、初心を忘れずに歩み続けなければならない、と自分に言い聞かせています。

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