『年頭に当たって ~福祉の心~』

文責:すぎのこ会理事長 岩崎俊雄

 新年明けましておめでとうございます。昨年は社会福祉法人制度改革を主とする改正社会福祉法が全面施行され、新たな評議員、理事、監事の選任等の人事、内部管理体制の強化を内容とする諸規程の制定・改正、適正かつ公正な財務規律の強化、説明責任を果たすための情報開示、また地域における公益的取組等々その対応に追われた年でした。
 また、トータルサポートシステム構築の一環として、日光エリアにおいては放課後等デイサービス事業所「のあの杜」を開設するとともに、共同生活住居の新築工事に着手しました。さらに、栃木エリアにおいては、もくせいの里隣接地を取得し、障害児者の地域生活支援拠点施設整備の一環とするための増築工事にも着手しました。
 私事になりますが、昨年は古希を迎え、体力、知力の低下を実感した年でもありました。そんな中、母校である日本社会事業大学の同窓会会長に指名され、6月に就任しました。苦渋の決断をして引き受けたわけですが、私なりに、ある想いがあったからでもあります。
 原宿にあった母校のキャンパスに「アガペ像」が建てられていました。今でも清瀬の現キャンパスに移設、複製されていますが、その碑文「ウブゴエカラ灰トナリテマデ」が今までの私を支えてくれた言葉の一つです。それは、無償の愛とも言われますが、私は、サービスを必要とする人に寄り添い、生涯にわたって支えるシステム、トータルサポートシステムの構築をめざすことであると解釈しています。加えて、校歌の一節にある「忘我の愛と智の灯(トモシ)」が社会福祉の根底に流れる思想である、と信じています。そんな想いを伝えたい、伝え続けていく責務があると自分に言い聞かせたのです。
 少子高齢化が進行する中にあって、子ども・高齢者・障害者等すべての人々が1人ひとりの暮らしと生きがいを共に創り、高め合う地域共生社会、換言すれば「共に生きる社会」の実現が強調されるに至っています。厳しい国家財政からの要請であることも否定できませんが、福祉に携わる一人としては勿論のこと、関係する一人としても何ができるのか、何をしなければならないのかを真剣に考えるべきではないでしょうか。
 老体に鞭打ちながら、本会の経営に万全を期すとともに、「福祉の心」を伝え続ける一年にしたいと考えておりますので、本年も皆様のご指導、ご支援を賜りますよう心よりお願いいたします。

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